どうも
しゅん(@shunsuke_action)です。
前回はスタートアップにインターンがマッチする3つの理由という記事で、
インターンがスタートアップに必要だと書きました。
では、具体的にどのようにすればインターンだけでも回る組織を作れるのかをこの記事では考えていきます。
インターンだけ回る組織とは、
誰でも業務を行うことができる状態になっている組織ということです。
業務を行うことができる=業務のやり方がわかるということなので、
すべての業務が標準化されていて、業務フローがドキュメントになっている組織
こそが、インターンだけで回る組織といえます。
この仕組ることができれば、経営者は自分がしなければいけない業務に集中することができるようになり、メンバーが入れ替わっても社内にノウハウが蓄積され続けるようになります。
スタートアップでは人の入れ替わりが多いけど、時間がなく属人的になりやすいので、できるだけ早いタイミングで業務を標準化する仕組みを構築する必要があります。
では、ここから、具体的にどのような仕組みを作っていけばいいのかについてまとめていきます。
業務の標準化とドキュメント化
業務を標準化するとは、誰がやってもある程度同じ結果になるようにすることです。AさんとBさんが同じ業務をやった時に、かかる時間ややりかた、最終的な結果が異なっているとしたら、それは業務の標準化ができていないということです。
ただ、ほとんどの業務は標準化されていないですし、同じチームであっても自己流で行われているのがほとんどです。
また、引き継ぎ時などにしっかり共有されていて、標準化されていたとしても、業務の流れや言葉の意味などがドキュメントにまとめられていることは少ないです。
ドキュメントにまとめておかないと、気づいたらその人独自のやり方になっていて、急病で休んだ時に仕事が回らなくなってしまうかもしれません。
そういうことが起きないためにも、業務をドキュメントにしておくことが重要になります。
業務の標準化・ドキュメント化という部分においてとても参考になるのが、無印良品の「MUJIGRAM」という店舗マニュアルです。
誰がよんでも解釈の違いが発生しないレベルまでドキュメントにまとめるというMUJIGRAMの思想は、インターンだけで回る組織・誰でも回る組織を作る上でとてもポイントになってきます。
では簡単にMUJIGRAMについてまとめます。
MUJIGRAMに学ぶ業務標準化のポイント
無印良品の店舗で使われている2000ページにも及ぶマニュアル「MUJIGRAM」は他のマニュアルとは全く別のものです。いろいろなポイントがありますが、2つに絞って説明をしていきます。
(より詳細を知りたい人は本を読んでください)
マニュアル=解釈の違いが起きない状態
誰が読んでも解釈の違いが発生しないレベルまでわかりやすく書かれているものがMUJIGRAMです。冷静に考えると、このレベルまでわかりやすく書くためには、言葉の定義一つ一つにこだわる必要があります。
例えば「丁寧に包装しましょう」の丁寧にとはどういう状態を指すのか
どの紙を使えばいいのか、どういう折形をすればいいのかなどなど
考えなければいけないことはいろいろあります。
それをすべてドキュメントにまとめることこそが、解釈の違いが起きない状態です。
ただここまでわかりやすく書かないから、ほとんどのマニュアルは使われないのです。マニュアルを読んでもわからない→聞きに行く→わかるを繰り返すと、マニュアルを読む意味がなくなりますし、マニュアルが必要なくなります。
だからこそ、誰がみてもわかるように、細部にこだわりましょう。
・写真を貼る
・言葉の定義を細かく書く
生きたマニュアル=常に最新の内容に更新されている
マニュアルとは使われて初めて価値を発揮します。
ではどのようにしたら使われるマニュアルを作れるのか。
先程も書いたとおり、一つは「解釈の違いが起きないレベルまで具体的にわかりやすく書くこと」。
そしてもう一つは、「常に最新の内容に更新されていること」です。
マニュアルを見ると、いまは全く使っていないツールや方法で書かれていることがあります。そうすると、「この内容って信用していいのかな」と思うはずです。そんな信用できないマニュアルを読むことなんてありませんよね。
だからこそ、マニュアルこそ更新され続けなければいけないし、更新されている=使われているということです。
更新されるためには、現場の声を吸い上げる仕組みが必要です。
「このやり方だともっと速くできるのに」
「こういうツール使えばここの課題解決できそう」
などなど、現場のもっとこうすればという意識を汲み取れる仕組みが無印良品にはあります。
システムでその場で改善の提案をすることができ、本部はそれを見て、更新をするかどうかを判断し、更新をしていきます。
このくらいのスピード感を持つことができれば、生きたマニュアルになります。
スタートアップでも、Googleドキュメントの提案機能を使うのもよし、Googleフォームでアンケートという形で提案をしてもらうのもよし、いますぐできるやり方がいろいろあるはずです。
具体的にどのように標準化を進めるか
ではここからは具体的な業務の標準化の進め方をまとめていきます。
大きく3つのステップで進めるのがよいでしょう。
- 業務の全体像をマッピングする(A→B→Cのように業務ごとのつながり)
- 各業務をドキュメント化
- ドキュメントを使いながら、更新し続ける
大きくこの3ステップになります。
それぞれ簡単に説明をしていきます。
業務の全体像をマッピングする
業務のマッピングは各機能ごとに行うのがいいと思います。
例えば、営業だったら
- アポイントを設定
- 事前準備
- 初回の商談
- 次回の準備
- 本提案
- クロージング
- 契約手続き
のような形で大まかな全体像を箇条書きでも、マインドマップを使ってでも良いので、まずまとめます。
この全体像を見ながら、
「こういう業務もあったな」
「これはどこにいれようか」
ということがでてくると思います。
その議論の土台を作るためにも、関係者を集めて30分ほどディスカッションをしましょう。必ず同じ絵を見ながらディスカッションをしましょう。
各業務をドキュメント化
このドキュメント化のパートは細かい部分を書いていくと長くなってしまうので、進め方を簡単にまとめます。
具体的なドキュメント化の作業は、インターン生にやってもらうのがいいです。
(作りながら業務の引き継ぎもできるので!)
- 現担当者と作成者(インターン生など)で30分ほどミーティングを設定
- その場で、この作業の目的・進め方・細かい言葉の定義などをヒアリング
- フォーマットに沿って、作成者が作成
- 作成したものを現担当者に確認をしてもらい、フィードバックをもらう
- フィードバックをもとに修正
このやり方が一番速くドキュメント化を進めることができます。
一番のポイントは、現担当者が作らないということです。
現担当者が作ってしまうと、誰でも解釈の違いが起きないというのが難しくなります。自分がわかるからこの表現でいいやとなってしまうので、
可能であればその業務を引き継いだりするインターン生が作成をするのがおすすめです。(現担当者は工数的にも余裕がないと思うので)
ドキュメントを使いながら、更新し続ける
あとは実際にドキュメントを使って業務を行います。
そうすると、やっぱりここどういうことだったっけというものがでてくるかもしれないですし、慣れてくるとこういうやり方のほうが速いじゃんというものもでてくるはずです。
それを吸い上げるためにも、改善の意識を全員が持ち続けるためにも定期的(月に1回程度)はマニュアルの見直しを行うミーティングを設けるのがおすすめです。
そこでは必ず自分が普段使っているマニュアルの改善点を複数持ってくることをルールにすれば、勝手に改善の意識が組織に植え付けられていきます。
また新しい部署や機能ができたら、同じように標準化を進めます。
まとめ
スタートアップでの標準化・インターン生だけでも回る組織の作り方という観点で、業務の標準化についてまとめてきました。
いちばん大切なこととしては、
標準なくして改善はない
ということです。
逆に言えば標準が一回できてしまえば、後は改善し続ければいいということです。
スタートアップにはとにかくリソースが足りません。
基本リソースとの戦いだと思ってもいいかもしれません。
そんな中で常に最適なリソースの配分をし続けるためには
- インターン生を有効活用する
- 業務を標準化して、誰でもできる業務を渡し続ける
- 標準化した業務を改善し続ける
ことこそがリソースの最適化につながります。
スタートアップだからいまはいいやと思っていたら、一生改善は行われません。
できるだけはやいうちに、標準化の仕組みを構築して、
改善型の組織に移行しましょう!